おたふくかぜは、難聴・髄膜炎・精巣炎などの合併症を起こすことがある病気です。ワクチンでその多くを防げます。国の定期接種ではない任意接種ですが、日本小児科学会は2回接種を推奨しています。当院の費用は1回6,000円で、加西市にお住まいのお子さまには市の助成があります。
おたふくかぜ(正式には流行性耳下腺炎、ムンプス)は、「軽い子どもの病気」と思われがちです。しかし、後遺症が残る合併症を起こすことがあります。
感染した人の約3割は、はっきりした症状が出ません。知らないうちに周りへうつすこともあります。国内では毎年、数十万〜100万人ほどがかかり、5,000人程度が入院していると報告されています。
おたふくかぜの何が怖いのか
約1,000人に1人の割合で起こります。多くは片方の耳ですが、いったん失われた聴力は戻らないことがほとんどです。
髄膜炎は10〜100人に1人にみられます。脳炎はまれですが、後遺症を残したり、命に関わることもあります。
思春期以降にかかると起こりやすく、不妊の原因になることがあります。膵炎(すいえん)を伴うこともあります。
実際に、日本耳鼻咽喉科学会の調査では、2015〜2016年の2年間で少なくとも348人がおたふくかぜによる難聴になりました。うち両耳の難聴は16人で、300人近くに後遺症が残ったと報告されています。
妊娠早期の女性がかかると、流産の危険が高くなることもわかっています。
なぜ任意接種なのに、当院はおすすめするのか
日本では、ワクチンの副反応(無菌性髄膜炎)が問題となり、1993年に定期接種が中止され、今も任意接種のままです。この経緯から「危ないのでは」と心配される方もいます。
しかしその後の研究で、ワクチンによる髄膜炎は、おたふくかぜに実際にかかった場合よりも少なく、症状も軽いことがわかっています。海外では2回接種を定期接種としている国が多く、そうした国ではおたふくかぜが大きく減っています。こうした根拠から、日本小児科学会も2回接種を推奨しており、当院もおすすめしています。
接種の時期と回数(推奨は2回)
1歳の誕生日を迎えたら、できるだけ早い時期に受けます。
年長さん(5〜6歳)の1年間に受けます。1回だけでは免疫が十分でないため、2回目が大切です。
上記は日本小児科学会がすすめる標準的なスケジュールです。大人の方や、まだ受けていない年齢の方も接種できます。接種の時期に迷う場合は、診察時にご相談ください。
ワクチンについて
| ワクチンの種類 | 生ワクチン(弱めたウイルスを使ったワクチン) |
|---|---|
| 予防効果 | 1回の定期接種を行っている国では発症が約88%、2回接種の国では約99%減っています。より確実にするため2回接種がすすめられます。 |
| 主な副反応 | 接種の10〜14日後に、微熱が出たり、耳の下・頬の後ろ・あごの下がはれることがあります。多くは自然に治ります。 |
| まれな副反応 | 接種の3週間前後に、ワクチンが原因の無菌性髄膜炎が約40,000回に1回起こるとされています。おたふくかぜにかかった場合(10〜100人に1人)と比べてはるかに少なく、症状も軽い傾向があります。 |
費用について(任意接種です)
おたふくかぜワクチンは任意接種です。当院の費用は次のとおりです。加西市にお住まいのお子さまは、市の助成で自己負担が軽くなります(下記)。
加西市には費用の助成があります(下記)。市外にお住まいの方は、お住まいの市町村へ助成の有無をご確認ください。
加西市にお住まいのお子さまへ(費用の助成があります)
加西市は、おたふくかぜワクチンの費用を一部助成しています。内容は「接種費用の2分の1(上限3,000円)を、対象の期間に1回だけ」です。当院の1回6,000円の場合、助成を使うと自己負担はおよそ3,000円になります。
助成の対象になるのは、次の2つの期間です。いずれも接種当日に加西市に住民票があり、まだおたふくかぜにかかっていないお子さまが対象です。
①1歳の誕生日から2歳の誕生日の前日まで(1回目にあたる時期)
②小学校に入る前の1年間(年長さんの学年)(2回目にあたる時期)
持ち物は、母子健康手帳・本人確認書類・助成券・接種費用です。対象になる生まれ年は年度ごとに変わります。ご自身のお子さまが対象かどうかは、接種の前に加西市の窓口か当院へご確認ください。
接種の前にご相談いただきたい方
生ワクチンのため、次の方は接種を受けられない、または注意が必要です。当てはまる方は、接種前に必ずご相談ください。